隠者の夏休みの想い出のひとつに、高校時代に良く通っていた
『猿川』という小さな渓谷があります。
渓谷というと、何だか山の中に出掛けるような雰囲気ですが、元々有田の町自体が山に囲まれた土地にあるため、この
『猿川』も有田の町の通りからほんの少し入ったところにあり、
春は桜、夏は水遊び、秋は紅葉と、昔から有田の町民の憩いの場所として、とても親しまれて来た場所です。
そして、この
『猿川』の上流には、川の水を引いて作られた
50mプールがあり、隠者が高校当時(1977年〜1979年頃)の夏休みには、受験勉強をそっちのけで親友と毎日のようにこのプールに通っていました♪
このプール、川の水が直接引かれている事もあって、水温は身を切るほど冷たく、そして、実は見た目以上に深いプールで、浅いところでも身長170cmの隠者では足がつかないほどの深さがあり、そんなプールで『鬼ごっこ』なんてしていた訳ですから、泳ぎが達者にならない訳がありません。
当時は、このプールに鍛えられたおかげで、夏バテもせず体力もついたのだろうと思います♪(学力はつきませんでしたが・・苦笑)
▲ そんな夏の想い出がたくさんつまったプールですが、このプールも今はもう使われておらず、今は山の中の薮の中にひっそりとたたずんでいます。。でも、その代わりに現在は川の下流に小さなプールが作られていて、今でも、小さい子供達や若者達の水遊びの場所として楽しまれています♪
★ 猿川渓谷 in 2010 夏
この夏、久しぶりにこの
『猿川』の地を訪れて、地元高校生達の遊ぶ姿を目にすると、当時の自分たちを見ているようでした。。。
高校時代は、ただただ友達と遊ぶ事に夢中で、この土地の歴史など何の興味も無く通ったこの
『猿川』でしたが、こうして年を重ね改めてこの地を訪れると、当時とはまた違った感覚で、この土地が有田の町とどのような関わりを持って歴史を作って来たのか、そんな事にも思いを馳せるようになって来ました。。
有田の陶磁器製造の創成期には、この地に窯場が作られ、この
『猿川窯』で
オランダ東インド会社『VOC』の製品が数多く作られていたということ。。
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そしてこの川の上流や、その他の有田のおもだった渓流には、何基もの
『唐臼』があり、夜を通して
『唐臼』の臼を叩く音が渓谷にこだましていた・・なんて歴史資料を目にすると、真夜中に渓谷にこだまする
『唐臼』の音とは、いったいどんな音色を奏でていたのだろう。。と、今では聞く事の出来ない古の音に思いを馳せるのでした。。
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この記事の続きは
『有田と名水の意外な関係。。』の記事で触れています。。
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