和食器webショップ〜やきものの里肥前有田皿山から普段使いの和食器をお届けします〜
■ 木下輝夫さんのアトリエにはものすごい種類の木材が所狭しと置いてあります。 それは仕事の関係(土木、建築、地元伝統芸能の和太鼓メーカーなど)や、ご友人(炭焼き・農家)などから分けて頂いたりした木材で、その時々で手に入る木材の種類も形状も様々だそうです。 代表的なものとしては、
ケヤキ・ブナ・クヌギ・サクラ など国内でも比較的良く知られた素材から、
タガヤサン・ブビンガ・パドゥーク・ハードメイプル など聞いたことも無いような国外産の素材まで多種に渡ります。 そしてこの作品の面白いところは、それぞれの木材が持つ独自の木肌の色や木目の入り方を上手く活かして作品に仕上げてあるところです。 作品を作るために最初から計算されて切り出された木材とは違う材料を使って製作するため、作者の言う
『木と相談しながら作品にする』 と言う意味が良く伝わって来る、色・木目・形状、など、どれ一つとして同じものは無い
『世界に一つだけの作品』 です。
制 作 方 法
■ 世界に一つだけの匙(スプーン)
元々木彫・木工芸の『彫刻家』である『木下輝夫』さんの作るスプーンは、『彫刻』の製作同様に『スプーン』の一つ一つも全て違う形状をしています。
その制作方法は、目の前にある木材の状態を見て、その木の種類・形状、木目の縦目・横目などを判断しながら、まさしく『木と相談しながら』どう作品にするかを見極め製作されていきます。
(木目の判断を誤って形状を決めてしまうと、木目に沿って割れたりしますので、出来るだけ堅牢になる形状を求めて形状が決められていきます)
■ このようにして形を決められ大まかに切り出された作品は、『グラインダー』を使い綺麗なフォルムに削られ、最後に『紙やすり』で全体を丁寧に磨き仕上げられます。
■ この一連の作業の中で1番の重労働が、最後の『ペーパー掛け』の作業なのだそうです。 サイズの違いで価格差に開きを感じるのは、実はこんなところにも理由がある訳です。
■ そして最終仕上げとして、防水処理も兼ねた『アクリル塗料』を表面に薄く塗り仕上げます。 この『透明系アクリル塗料』を塗る事で、木材個々の持つ色合いが一層鮮やかに浮かび上がり、それぞれの持つ特徴がはっきりと表れた個性的な作品に仕上がります。
■ このようにして、1つ1つの作品全てが木下さん1人の手により作られた『スプーン』は同じ物が2つと無い、
まさしく
『世界に一つだけのスプーン』 なのです。
材 質 : 数多くの種類の木材の中から『菖蒲の隠者』では木肌の色に特徴なある5種類の材料で作って頂きました。
スプーンを作る材料として選ばれる木材は、どれも硬い物ばかりですが、同じ木材でも部位によって硬さに違いがあります。 木の外側に近い部分はまだ成長を続けている部分のため比較的柔らかく芯のほうは成長も止まりしっかりと締まって硬くなっています。 木の種類によっては色の違いで芯の部分・外側の部分と区別が付く物もあります。 同じ木材でも使う部所によってもデザインの違いが出るのも木の持つ面白さです。
■ ハードメイプル
基本色 : 白系薄黄色
この中では最も白系の木肌です。
カナダの国旗や金貨などで比較的親しみのあるメイプルは、カエデ科の広葉樹でカナダやアメリカ北東部が主産地です。 ハードの名が付くように素材の中でも最も硬い木の一つです。
■ ケヤキ
基本色 : 琥珀(薄茶)色
木目の入り具合などで色合いに違いがあります。
建築材や家具などの材料として日本人には一番なじみのある木材ではないでしょうか。 漆器のお椀などの材料としてもよく使われています。
■ パドゥーク
基本色 : 赤褐色
外側の白い部位を使い、芯部の赤褐色と2トーンで作る場合もあります。
家具や楽器などに利用される花梨(カリン)の木。 外側は白く芯部は赤褐色。 芯部の赤褐色の木屑は赤く血の色を連想させるそうです。 また芯部は紫に近い色が出たり縞模様になる事もある面白い素材です。
■ ブビンガ
基本色 : 褐色(こげ茶)色
外側の白い部位を使い、芯部の褐色と2トーンで作る場合もあります。
熱帯アフリカ原産の木。 地元伝統芸能の和(大)太鼓の材料として国内では大きなケヤキが手に入りにくくなったため、その代わりの材料として利用されているそうです。
■ タガヤサン
基本色 : 黒褐色
外側の白い部位を使い、芯部の黒褐色と2トーンで作る場合もあります。
← 画像では少し白い部分も見れますね。
日本名は『鉄刀木』と書くことでも解るように、水に浮ばないと言われ、木下さんが取り扱う材料の中でも1・2を争う硬い木材だそうです。 裁断する時に『火花』まで出ることもあるんだそうです。
☆ 作品は木の素材を出来る限りそのまま活かすために、また、染み防止の防水のために『透明系アクリル塗料』を表面に薄く塗っております。 巷には『色付きアクリル塗料』を使い塗装した製品も見かけますが、木の種類の違いだけでこれだけの色合いの違いを出せるのは感動ですね♪ アトリエではこれ以外にも全部で約30種もの材料を使い作られていますが、その全てを紹介できないのが少し残念です。
ご使用にあたって
■ 『木下輝夫』さんの作るスプーンは、持ち手の部分のユニークなフォルムが特徴です。 一見、持ち難そうに見えたり『右利き専用』のように思えたりしますが、実際に手にしてみると持ち手のユニークなフォルムが、意外なほど指にやさしくフィットします。
画像は『スプーン(S)』を右手と左手で持ってみました。
■ 『左利き』の方でもそれほど違和感無くお使い頂けると判断しておりますが、作品によっては使用感に違いがございますので、『左利き』の方など、作品のフォルムに不安を感じられる方は、ご購入の前に製品の使用感を予めお問合せ下さい。
■ 製品に使われている『透明系アクリル塗料』は、食品衛生法・食品・添加物等の規格基準に適合した『環境対応型2液ポリウレタン塗料』を使用しております。
■ 製品に使用する材料は木材の中では比較的硬い材料を使用しておりますが、強い荷重や衝撃などを与えますと破損したり傷つく場合がございますので、ご注意下さい。
■ 製品の洗浄はスポンジを使い中性洗剤で洗浄ください。 なお洗浄後は長時間水の中に浸けたままにすることは避け、出来るだけ綺麗に水分を吹き上げ保管してください。 素材の特性上、食器洗浄機および乾燥機のご使用はお避け下さい。
■ 日光の当たる場所では製品が日に焼け変色したり変形したりする可能性がございます。 保管の際は日光を避け日陰で保管ください。
■ 表面に塗られている『透明系アクリル塗料』は、使用していくうちに自然に剥がれていきます。 特にスプーンの渕など直接食器と接することが多い箇所から剥がれていく場合が多く、塗料の剥がれた物を使い続けると、剥がれた箇所から水分などが染み込み変色する場合がございますので、予めご了承下さい。
■ 上記のように塗料が剥がれてきた場合などは、作者自ら
無償にて補修いたします(送料だけご負担ください)。 剥がれてきたなと思ったら早めに補修をご依頼ください。 なお、補修のご依頼は
>>お問合せ<<からご依頼ください。
(商品の補修について作者の思いを『独り言』のコーナーで紹介しております。興味のある方は参照ください)
お取り寄せについて
■ 『木下輝夫』さんの作品は一つ一つ手作りの作品のため量産が出来ません。
また、使用する材料の種類も多いため
少量多品種での入荷スタイルとなってしまいます。
■ ご予約承ります・・・
そのため『菖蒲の隠者』では、同じ素材で作られた商品をまとめて購入されたいお客様のために、予め
ご予約を承っております。 ご予約の方法は、各商品ページの下の方にショッピングカートを設置しておりますので、そちらからご予約下さい。
またご希望の商品が売り切れの場合も、ご予約を請け賜ります。 商品が入荷次第、ご予約をいただいたお客様の順番で入荷した商品の中からお選びいただきます。(気に入った作品が無い場合には、キャンセルも承ります。)
■ 特殊製品について・・・
『木下輝夫』さんは、一つ一つデザインが違うというその作品の特徴から、体の不自由な方やお年寄り、離乳食を食べ始めた赤ちゃん用など、一人一人の使い勝手に合わせた作品作りも手懸けられて来られました。
そのような活動の評価もあって、2006年には地元石川県の
『バリアフリー社会推進賞』で優秀賞も受賞されました。
← こちらの作品は体の不自由な方用に作られた作品の一部です。
このようにその人だけの特別な製品が必要な場合にも遠慮なく
お問合せ下さい。 全てのケースに対応できるかは判りませんが、出来うる限り対応させていただきます。
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