5月7日(土) みなさんは、『玉峰窯』『中尾哲彰』 という名の作家の名を耳にしたことがありますか? おそらく大半の方が始めて聞く名前ではないかと思います。。。 そうです、国内の(特に肥前有田地区の)陶芸家ではあまり知名度の無い作家なのです。。今回はこの『中尾哲彰』という作家及び作品についてお話したいと思います。。。。 |
■ 玉峰窯 中尾哲彰 ■ HP 前置きとして。。。肥前有田地区のやきものについて・・・ 豊臣秀吉の『朝鮮遠征』以来、有田及びその周辺の町は、『日本陶磁器発祥の地』として、国内外で広く知られるようになりました。 なかでも、白磁・青磁などに染付けや赤絵などを施した技などは、伝統工芸として多くの作家や人間国宝を輩出してきました。。。 そんな伝統工芸の町にあって、中尾さんの作る作品はというと、陶磁器でもなければ唐津などの陶器でもない、おおよそ伝統からはかけ離れた所にある作品だと言えます。。。 ではいったいどんな作品を作っていらっしゃるのかというと、その代表的な意匠として『銀河釉』というものがあります。 |
⇒ 『銀河釉』とは、中尾さんが長年の研究で作り出した独特の釉薬で、ガラス質の釉薬の中に、煌く銀河のような結晶が浮かび上がり・・・ まるで宝石のような輝きを見せるその作品は、地球上で宝石が出来る過程の縮図をそのまま窯の中で再現させたとも言える作品です。。。。 ▼ ルーペを通して、その釉薬を拡大して見ると、この『銀河釉』の美しさがなお一層ご理解いただけると思います。 ではこのような『銀河釉』に似た作品を作る作家は他にいないのでしょうか? おそらく世界で中尾さん意外にはいないと思われます。。。 そんな、世界でオンリーワンの意匠を持つ作家が何故知名度が無い・・・または評価されないのでしょう・・・ |
いえいえ、評価が低いのは国内だけの話・・・ 実は海外では大変な評価を受けているのです。 ▼ 下の作品(陶器市でディスプレイされていました)は、2003年パリの『ルーブル美術館』で開催された 『美の革命展INルーブル』 にて、陶芸部門のグランプリにあたる 『プリ・デ・リオン』 と特別賞 『トリコロール芸術平和賞』 のダブル受賞の快挙を果たした作品です。 このルーブルでの受賞以外にも、スペインやトルコ、などなど海外に出品した商品はどれも高い評価を受けています。 |
国内ではさほど知名度の無い、貧しい作家が何故これほどまでに海外では評価が高いのでしょう? それはおそらく、海外に出てしまえば伝統も知名度も関係なく、全て平等に1つの作品の価値として評価されるからだと思います。 世界でオンリーワンの意匠を持つ中尾さんの作品はきっと『ルーブル』に永久に『中尾哲彰』という名前が刻印として残されるだけの価値のある作品なのだと思います。 たとえ作者が死んだとしても作品は残るのです。。。 作者はいつも言います、『私が死んでも作品は残る・・・だから今は貧しくてもイイ・・』 縁あって、隠者と中尾さんは20年来のお付き合いです。そして不思議なことに、更に深いお付き合いなるように運命の歯車は廻っているようです・・・ その訳は今後の『菖蒲の隠者』の企画で追々判ると思います。。。 |
▼ 次に、下の作品。 この作品は中尾さんの作品ではありません。 中尾さんの義父(作家ではありません)の佐藤さんが作った作品です。 中尾さんの作品は窯変(窯の中で微妙に色や結晶が変化すること)の作品なので、気象条件などに大変敏感な商品です。 そのため上手く行かない作品も山ほど出ます。 その失敗作や破損した作品なども、細かい破片にすると、その『銀河釉』の結晶はとても綺麗で、とても微妙な色の変化があります。 それを利用して作ったモザイク画がこの義父が作った作品なのです。 |
もうかなりの高齢ではありますが、欲の無い素朴なお人柄が作品ににじみ出ているように思います。 現在、コチラのお父さんと企画したプランも計画中です♪ 今回の陶器市では『玉峰窯』と『菖蒲の隠者』でタイアップしたアンテナショップで大変多くのお客様にご来店いただきました。その感謝の意味を込めて、来週から1週間『玉峰窯』さんから『謝恩セール』の商品を出していただきました。ご案内は近々サイトの方にアップする予定です♪ 是非覗いてみて下さいね。 |